高血圧

高血圧はすぐに治療すべきなのか

正常な血圧とは診察室での血圧が120/80mmHg未満、家庭での血圧が115/75mmHg未満です。

では、健診で血圧が160/90mmHgと言われたらすぐに薬を飲まなければならないのでしょうか。

そもそも血圧は常に一定というわけではなく、心身の状態に応じて変動します。痛みを感じたとき、運動したとき、不安やストレスを感じたときなどには多くの場合で普段よりも血圧が高くなります。

これは身体を維持するための正常な反応ですので、血圧が高いからと慌てて治療する必要はありません。

では、高血圧はどの程度から治療すべきなのでしょうか。また、高血圧を治療せずに放置しているとどんなことが起こるのでしょうか。

家庭血圧を測りましょう

白衣高血圧といって、病院では緊張して血圧が上がりやすい人がいます。

逆に仮面高血圧といって、病院では正常血圧でも自宅では血圧が高い人もいます。

本当に血圧が高いかどうかを確認するためには、まず家庭血圧の測定を始めることが大切です。

測定は1日2回(朝と晩)、リラックスした状態で測定します。

体調の変化で日々の血圧は変動しますが、常に140/90mmHgを超えるような高めの血圧が続く場合には、記録した血圧手帳(血圧アプリ)をもってクリニックを受診しましょう。

高血圧を放置すると

血圧が高いと血管にストレスがかかり、血管が傷みやすくなります。

このため、高血圧を放置すると年齢以上に動脈硬化が加速してしまいます。

その結果、脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの脳血管疾患や心血管疾患を発症してしまうリスクも上昇するのです。

また、高血圧は血管以外にも心臓や腎臓といった臓器に直接悪影響を及ぼし、心不全や腎不全の原因となります。

高血圧による取り戻せない臓器障害が起こる前に治療を開始することが、その後の生活や健康の質を維持するために重要です。

ポイント

  • 家庭血圧を測定して、高めの血圧が続く場合が受診の目安
  • 高血圧による血管障害や臓器障害が出現する前に治療を始めることが重要