大動脈解離とは
血管は内膜、中膜、外膜の3層構造でできていますが、大動脈解離では血管の壁が中膜のレベルで裂けてしまう状態となります。
この血管の裂け目に血流や血腫が入り込むと、本来の血管の内腔が血流や血腫に押されてしまうので、臓器への血流不足をもたらします。
大動脈のどの部位が裂けるかによって、血流不足を起こす臓器(心臓、脳、脊髄、肝臓、腸管、腎臓、下肢など)は異なってきますし、解離の範囲が広いと複数の臓器症状が出現します。
一方で、血管が裂けて外側に漏れ出ると出血につながります。
これについても部位によって症状は異なりますが、心タンポナーデや胸腔内出血、腹腔内出血、後腹膜出血などいずれも重篤な状況となります。
発症率、予後
年間に10万人あたり3~10人の頻度で大動脈解離を発症しているといわれています。
さらに、この病気は突然死の原因として知られており、発症すると病院に到着する前に約6割の方が亡くなってしまいます。
病院到着後も病状は重篤で発症から24時間以内の死亡リスクが極めて高い病気です。
検査、治療
血管が裂けるときには胸や背中に身の置き所がないような激痛を伴います。
急性動脈解離であれば急いで検査や治療が必要となるため、すぐに救急要請すべきです。
血液検査や心電図、エコー検査、レントゲン検査を行い、急性大動脈解離が疑わしければ造影CT検査で確定診断を行います。
解離が及んでいる部位により緊急手術を行う場合もあれば、血圧を下げることを中心とした保存的治療を行う場合もあります。
ポイント
- 大動脈解離は血管が裂けて起こる
- 急性大動脈解離は発症から短時間で命を落とすこともある重篤な疾患