前立腺とはどんな臓器?
前立腺は男性のみに存在する臓器で、膀胱の下で尿道を取り囲むように位置しており、 精液の一部である前立腺液を産生している臓器です。
前立腺は二重構造となっており、内側の尿道に近い部分を内腺と呼び、外側の部分を外腺と呼びます。
一般的に前立腺の大きさは栗の実大に例えられるほどの大きさと形状で、体積は20cc程度とされています。
前立腺肥大症とは
前立腺肥大症では、前立腺の内腺が肥大することで尿道の内腔が狭くなり、種々のおしっこのトラブルが表れるようになります。
また、膀胱にも負担がかかるため、膀胱のはたらきにも異常を来すことがあります。
詳しい原因は明らかではありませんが、50歳以上の方の35~40%で前立腺が肥大しているといわれ、60歳台では50%以上、70歳台では約70%の方で罹患しているといわれています。
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大症の症状は、肥大した前立腺によって尿道が狭くなったり、膀胱が圧迫されたりすることで起こります。
まずおしっこを出すことに関連する症状(排尿症状)として、おしっこを出しにくい、勢いが弱い、途中で途切れる、出始めるまでに時間がかかる、お腹に力を入れて出すなどがあります。
また、おしっこをためることに関連した症状(蓄尿症状)として、日中や夜間のおしっこの回数の増加や我慢ができない、漏らしてしまうなどがあります。
そのほか、おしっこした後に出現する症状(排尿後症状)として、スッキリしない、残っている感じがするなどがあります。
こうした症状によって日常生活の質の低下を来すだけでなく、その影響で常にトイレのことを心配してしまうようになり、スポーツや旅行といった趣味も楽しむことができなくなってしまいます。
また、前立腺肥大症は加齢とともに進行していきますが、こうした症状を年齢のせいなどとあきらめて放置してしまうと、症状の悪化のみではなく、ときに重篤な合併症を引き起こすこともあります。
血尿や尿路感染を繰り返したり、膀胱の中に溜まっているおしっこを出したいのに出せなくなったり(尿閉)、常日頃から出し切れずに残ってしまっているおしっこのせいで膀胱が働かなくなったり、おしっこが腎臓まで逆流して腎臓の機能が低下してしまったりします。
そのため少しでも排尿障害を自覚したら、日常生活に支障を来すほど悪化する前に泌尿器科を受診することが大切です。
前立腺肥大症の治療方法
前立腺肥大症の治療は、前立腺の大きさや症状の程度に応じて、一般的にはまず薬物治療が最初に行われます。
薬物治療では改善が見込めないほど症状が重い場合や、先述した合併症が発生しているような場合には手術療法が選択されることもあります。
近年では、開腹による手術ではなく、内視鏡による手術が一般的に広く普及しています。
ポイント
- 前立腺肥大症は、前立腺が肥大することで種々のおしっこのトラブルが表れるようになるだけでなく、膀胱のはたらきにも支障を来すことがあります。
- 治療はまず薬物治療が行われますが、改善に乏しい場合は内視鏡による手術が検討されます。