肺塞栓症とは
足や骨盤の静脈に血栓ができてしまう深部静脈血栓症という病気があります。
これによりできた血栓が、血流にのって肺動脈を詰まらせると肺塞栓症を発症します。
急性肺塞栓症の死亡率は10%以上と高く、日本では急性心筋梗塞よりも死亡率が高い病気です。
死亡時期は発症後早期のため、早期診断が重要となります。
しかし、肺塞栓症で起こる胸痛や呼吸困難などは他の疾患でも見られる症状のため、診断が遅れることも稀ではありません。
症状、検査
急性肺塞栓症の典型的な症状は突然の胸痛や呼吸苦ですが、失神や咳、動悸など多岐にわたり、程度によっても症状は異なります。
肺塞栓症の可能性が疑われた時には、まず身体所見や酸素濃度の測定、心電図やレントゲン、血液検査、下肢静脈エコー、心エコーを実施します。
これにより、深部静脈に血栓ができている様子があるか、肺動脈に血栓がとんで心臓に負担がかかっている様子がないかなどを確認します。
検査から肺塞栓症が疑われる場合には、造影CT検査で確定診断を行います。
治療
心停止やショック状態などの重篤な肺塞栓症を発症していれば、人工心肺装置を挿入したり肺動脈の血栓を除去したりする必要があるため、高度医療ができる病院へ救急搬送となります。
血圧低下などがなく比較的状態が安定していれば、薬で血栓を溶かします。
発症から早期であれば、大部分の血栓は溶けてしまうので後遺症はほとんど残りません。
一方で発症から時間が経過していると、固い血栓が溶けずに残ってしまうため、慢性期にも息切れなどの症状が残ることがあります。