心筋梗塞とは
動脈硬化が進むと、血管の内膜にLDLコレステロールなどが沈着してプラークというものが形成されます。
プラークは、血管を狭くしたり中身が飛び出して血管を詰まらせたりする原因となります。
心筋梗塞は、冠動脈にあるプラークが破綻して冠動脈の閉塞や高度な狭窄を起こした結果、心筋への血流が途絶えてしまい、心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。
細胞は壊死してしまうと元に戻りません。
詰まってしまった血管の血流をなるべく早く回復させることで、壊死する心筋の範囲を減らすことが重要です。
このため、発症後早期に診断してカテーテル治療が可能な病院へかかる必要があります。
救急車を呼ぶべきか
急性心筋梗塞であれば、できるだけ早く治療を受けるために救急要請をする必要があります。
冷や汗をかくような胸痛が15分以上続くとき、ニトログリセリンを複数回服用しても症状が軽快せず持続するときなどは心筋梗塞が疑われるため、迷わず救急車を呼びましょう。
心筋梗塞後の生活
心筋の壊死してしまった範囲が狭かったり、早期に血流の回復ができたりと心筋へのダメージが少なかった場合には、心筋梗塞発症前と比べて日常生活に大きく制限をきたすことはありません。
しかし、心筋梗塞の程度によっては心臓の機能が著しく低下してしまうため、軽い運動でも息切れを起こしてしまうなど心不全症状がでることがあります。
いずれにしても、心筋梗塞の発症には動脈硬化が大きく関与しています。
心筋梗塞を繰り返さないために、またその他の動脈硬化性疾患を発症しないために、生活習慣の是正や適切な運動、禁煙、内服治療の継続などが重要です。
自分自身の状態に応じた生活指導や適切な運動方法をしっかりと理解するために、心臓リハビリテーションを有効利用しましょう。
ポイント
- 心筋梗塞は冠動脈の閉塞や高度狭窄が原因で、心臓の筋肉が壊死してしまう病気
- 細胞は壊死すると元に戻らないため、早期診断・早期治療が重要
- 心筋梗塞後は再発予防や心不全管理を行う必要がある