失神とは
失神は、脳への血流が6秒以上途絶えた、血圧が60mmHg以下に低下したなど一時的に脳全体への血流が不足することで起こる一過性の意識障害をいいます。
この意識障害は特別な処置をしなくても数秒~数分間で自然に意識は回復し、症状が残らないことが特徴です。
このため、一過性の意識障害の中でも脳梗塞やてんかんなどは失神発作にはあたらず、これらの疾患とは区別されます。
失神の原因
失神の原因は、①起立性低血圧、②神経調節性失神、③心原性失神の3つに分類されます。
① 起立性低血圧
いわゆる立ちくらみで、立ったり座ったりした直後に起こることがほとんどです。
通常であれば、身体の状態変化に合わせて血管が収縮し、脳への血流を維持するように自動調節されますが、この働きがうまく働かないときに起こります。
脱水や自律神経障害をきたすような疾患があると起こりやすくなります。
② 神経調節性失神
立っている状態や座っている状態が5分以上続いてから発症することが多く、起立性低血圧ほどすぐには起こりません。
排尿や排便、咳など特定の状況で起こりやすい傾向があります。
血圧や脈拍が急に低下することで起こる迷走神経反射と呼ばれるものも神経調節性失神の一つです。
これは、過度なストレスや痛みにより自律神経が乱れて急激な脈拍や血圧低下により起こります。
③ 心原性失神
心臓の働きが弱っていたり、心臓弁膜症(特に大動脈弁狭窄症)があったりすると、全身及び脳へ十分な血液が送り出せなくなるため、失神を起こしてしまいます。
また、心臓の働きはよくても、徐脈や高度頻脈などの不整脈により十分な心拍が維持できない場合にも脳への血流が低下し、失神を起こします。
失神の原因として多いのは起立性低血圧や神経調節性失神ですが、命に関わる可能性がある心原性失神についてはきちんと評価する必要があります。
失神を起こしたときの状況を自分または目撃者が詳しく説明し、必要に応じて心電図検査や心臓超音波検査、24時間心電図検査などでの検査をうけるようにしましょう。
失神したときの対処方法
一時的とはいえ、失神で完全に意識を失ってしまうと受け身がとれないため、頭や顔面を打ってしまったり場合によっては骨折をしたりすることがあります。
もし血の気が引くような立ちくらみや意識が遠のくなどの予兆があれば、すぐに横になるようにしましょう。
ポイント
- 失神は、一時的に脳全体への血流が不足することで起こる一過性の意識障害
- 原因に起立性低血圧、神経調節性失神、心原性失神がある
- 心原性失神は命にかかわる病気であり、症状が消失していても早期受診が望まれる